当社はこのほど、英国のBotanical Water Technologies LTD.(注1)(以下、BWT社)と、サステナビリティを実現するウォーターオフセットの概念に基づく植物由来の飲用水取引を可能にする世界初の水取引プラットフォーム「Botanical Water Exchange(以下、BWX)」に関する契約を締結し、2021年11月8日より構築を開始しました。
さらに、「BWX」上で利用可能なウォータークレジット(注3)を購入することで、自社の水使用量と同量の水を寄付し、環境への影響をゼロにするだけでなく、ウォーター・ポジティブな企業活動、ESG(注4)の推進やコンプライアンス対応も可能になります。例えば、多くの事業水を使用している都市部の大企業が、水不足の地域に近い食品工場に資金を支払い、ウォータークレジットを取得することで、その資金をもとに食品工場は近隣地域に清潔な飲用水を提供します。これにより、その大企業は特定非営利活動法人であるBotanical Water Foundationを通じて、間接的に慈善事業を行うことが可能になります。
「FUJITSU Track and Trust」の概要
「FUJITSU Track and Trust」サービスは、ブロックチェーン技術を含む各種オープンソースソフトウェアの活用や数万システム以上のシステム運用経験を持つ当社のノウハウに加え、各業種の知識や知見に基づいて、透明性の高いプラットフォームを実現するサービスです。ブロックチェーン技術をビジネスに活用する際に必要となる認証やユーザー権限管理に加え、UI、インフラ、ネットワークなどの幅広い知見と高度な技術、長年培ってきた業種業務ノウハウを統合し、アジャイル手法を用いて、お客様のビジネスに合わせたプラットフォームをスモールスタートで構築可能です。
Botanical Water Technologies LTD. CEO Terry Paule様のコメント 製造工程の無駄を減らすことが循環型経済の実現において重要なポイントです。当社の技術を用いることで、例えば、サトウキビから砂糖を抽出した後、まだ利用可能な60%の水分を回収することができます。このように精製されたBotanical Waterを多く所有する食品、飲料メーカーは、持続可能な原材料として循環的に利用し、新たな飲用水として販売することができます。さらにウォーター・ポジティブなESGプログラムや非財務指標の一部として「BWX」でウォータークレジットを提供することも可能です。富士通はイノベーションに加え画期的な方法論を通じてより良い社会を実現することに注力しています。だからこそ、今回富士通と共創することに決定いたしました。
富士通株式会社 FUJITSU Track and Trust Solution Center センター長 Frederik De Breuck のコメント 新たなブロックチェーンソリューションである「FUJITSU Track and Trust」サービスは、ベルギーの「FUJITSU Track and Trust Solution Center」で開発され、サービス提供を開始しました。このたび、使用量と生産量を差し引きゼロにするネットゼロの水取引という画期的な取り組みをBWT社と実現するために、プライベートかつ許可型のブロックチェーンを活用したプラットフォームを提案し、今回の契約に至りました。私たちのチームは、本センターを中核に様々なノウハウや専門スキルを持つメンバーが集まっており、今後も、インドやイギリス、日本の拠点と連携するグローバル体制のもと、お客様の経営ビジョンの実現やグローバルな社会課題解決を支えるブロックチェーンソリューションをお客様に最適な形で提案していきます。